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塗装工事は防水に意味があるの?塗装と防水は違う?

屋根や外壁といったビジュアルに関わるものは定期的にメンテナンスを行う住宅オーナーは多いですが、防水については雨漏りなどの具体的な症状が出るまでは対処しないというケースは少なくありません。これは、「塗装さえしておけば防水効果がある」といったイメージがあるからのようです。

確かに、実際に雨漏りが起こっているときには、点検をした業者は「塗装の防水性能がなくなったことで雨水が染みこむようになった」「改めて塗装すれば水をはじくから問題ない」といった説明をすることがありますが、単純に塗装すれば完璧な防水になるというとそういうわけではありません。

あまり知られていない「防水塗装」の本当の意味

まず理解しておきたいのが「防水塗装」という言葉は、そもそも存在しないということです。塗装工事」と「防水工事」は別の工事なのですが、いつの頃からか混同して使われるようになってしまったようです。では、この「防水塗装」という言葉は何を意味しているのでしょうか。この言葉の意味を理解するには、塗装工事と防水工事の何がどのように違うのかを理解する必要があります。

塗装工事とは何か

塗装工事とは、住宅のビジュアルを美しく保つことと、建物を外的要因から守るために施される工事を指します。具体的にいうと、塗装をすることで住宅をきれいにして、新しい塗膜が紫外線や風雨から建物の素地自体を守ることが第一の目的となります。この塗装工事は施工する場所によって「外壁塗装」や「屋根塗装」と呼ばれます。

塗装をすることで、建物の素地には塗膜ができます。この塗膜とは、塗装後の塗料が乾いて硬くなった状態なので、実はこの塗膜だけでもある程度の防水効果は得られます。しかし、この塗膜の一番の目的は素地を守ることで、水の浸入を防ぐものではありません。

塗膜は硬く表面がすべりやすくなっていることから、雨水は流れ落ち建物への浸入を“軽減”させることはできます。も各塗料メーカーは研究に研究を重ね、日本の高温多湿の気候に耐えられる塗料を開発していますので、塗膜が劣化していない状態であればそれなりの防水効果が得られますが、塗装だけでは防水対策が十分とはいえません。

防水工事とは何か

一方、防水工事とは「水からの保護」にフォーカスした工事です。とにかく、住宅の中に水を浸入させないことを目的とした工事なので、防水性能がある材料で防水層を形成することになります。防水層とは水を通さない膜のことで、この防水層を何で作るかで3種類の工法があります。

塗膜防水
ウレタン樹脂やアクリル樹脂など、“液状”の防水材料を塗り重ねて防水層を作っていく工法です。液体を塗る工法なので、複雑な形状の屋根・外壁の防水工事に向いています。

シート防水
ゴムでできたシート状の防水材を貼っていく工法で、シートがそのまま防水層となります。平らな屋根や外壁には向いていますが、複雑な形状の場所への施工には向いていません。

複合防水
液状のアスファルトを重ね塗りしたり、アスファルトシートを並べて貼ったりした上に、液状のアスファルトをさらに塗って強固な防水層を形成する工法です。丈夫で長持ちなのですが、アスファルトを液状にする際にバーナーを使用して施工することがあることから、施工できる場所が限定されるというデメリットがあります。また、施工が難しいことから技術力の高い業者でなければ施工ができません。

この中の塗膜防水は、防水材料によっていくつかの種類に分けられますが、住宅でよく利用されるのは、「ウレタンゴム系塗膜防水」と「FRP防水」の2種類です。

ウレタンゴム系塗膜防水
ウレタンゴム系塗膜防水とは、ウレタン樹脂を用いた防水工事のことで、液状のウレタン樹脂と硬化剤を混合した液で防水層を作り水の浸入を防ぎます。ウレタン樹脂の特徴は、マットレスでもよく活用されることからもわかるように、その弾力性・伸縮性の高さにあります。この特徴のおかげで、住宅の素地(特に木材)が伸縮したとしてもウレタン樹脂の防水層はひび割れが起こりにくいことから、水の浸入を防ぐことができるというわけです。

この施工は、液状のウレタン樹脂を数回に分けて塗って、2~3mmの防水層を形成しますが、防水層自体が紫外線に弱いことから、トップコートを塗って仕上げを行います。3~5年ごとにトップコートの塗り替えが必要になりますが、ウレタン樹脂の防水層自体は10年程度持つのが一般的です。

FRP防水
FRPとは「Fiber-Reinforced Plastics」の略称で、プラスチックの防水層を形成する防水工事のことをFRP防水と呼んでいます。ガラス繊維を編んで作ったシートの上に、液状の不飽和ポリエステル樹脂と硬化剤を混合した液を塗って防水層を作っていきます。

この工法は、船やプールなどでよく利用されるほど硬くて丈夫な防水層ではあるのですが、伸縮性がないことから住宅の素地の伸縮によってひび割れが起きてしまうことがあります。また、木材の膨張と収縮を苦手としている素材なので、素地に気を使っている箇所の防水には不向きです。

防水層は硬いプラスチック材になりますが、紫外線を浴び続けると劣化してしまいますので、ウレタンゴム系塗膜防水と同様にトップコートで保護することで長持ちします。5年ごとにトップコートの塗り替えを行うことで、防水層自体は10~12年程度持つのが一般的です。

防水工事と塗装工事は別物です

このように、塗装工事と防水工事は目的が違うことがわかりました。今回は塗装工事についての詳細は省略していますが、そもそも工法もまったく違います。ということは、防水工事は塗装専門業者ではできませんし、逆に塗装工事は防水専門業者ではできないのが事実です。

両方とも“塗る”作業なので、対応できそうな気がするかもしれませんが、防水工事と塗装工事は目的・使用する道具・材料が違いますから、そんな簡単には施工できません。ちなみに、すでに雨漏りが起こっている場合は、住宅の内部にまで水が浸入してしまっていることから、基礎自体が劣化してしまう可能性が非常に高く、早急な対応が必要になります。

防水専門業者は、塗装専門業者と比較すると数は少ないです。しかしながら、全国規模で見ると多数ありますので、どのような業者が自分の住宅の状態に適しているのかはなかなかわからないかもしれません。そのような時は、一括見積もりサイトを活用したり、全国建物診断サービスに相談したりしてみてはいかがでしょうか。

特に後者は、火災保険を活用した工事にも慣れていますので、住宅全体をチェックし、最適な工事がどのようなものかまでフォローしてくれます。防水工事を検討している方は、全国建物診断サービスのホームページをチェックしてみてください。

なぜ防水工事をしなければならないのか

大前提として、なぜ住宅の防水工事が必要なのでしょうか。それは、住宅にとって水は天敵ともいえる存在だからです。水は、住宅自体に被害をもたらすことがありますし、それに付随して住宅に住む人の健康への被害をもたらすこともあります。

住宅というものは、建物の骨組みにあたる「構造」と、屋根や壁にあたる「外装材」、電気設備や水周りなので「住宅設備」などで構成されていますが、それぞれの部材のコンクリート・モルタル・木材などがむき出しの状態では、自然環境によりどんどん劣化していきます。

部材が劣化すると、水を防ぐ機能も低下するので、建物内部へどんどん水が浸入し、湿度と含水率が上がります。この状態にまでなってしまうと、カビやシロアリの繁殖により部材が食い荒らされ、住宅や健康への被害が出てしまうというわけです。

住宅が少し傷むだけであれば修理で治るかもしれませんが、簡単な修理だけでは対処しきれないくらい被害が拡大してしまった場合は大変です。部材の交換や、基礎自体を工事しなければならなくなる可能性もあります。対処が遅れると劣化はどんどん進み、健康被害もどんどん大きくなってしまいます。

このような被害拡大を防ぐためには、まずは住宅内に水が浸入しないように防水工事をしっかりと行う必要があります。ちなみに、防水工事は全ての処置を一度の工事で行うのが一般的なので、工事を行う前に徹底的に防水専門業者に点検してもらい、修理すべき部分と部材を交換すべき部分を見定めてから工事に入るようにしましょう。

住宅箇所別の防水工法

住宅が雨漏りを起こす原因は、屋根・壁・バルコニーからの水の浸入によるものです。では、それぞれどのような防水工法で水の浸入を防げば良いのでしょうか。

勾配のある屋根の場合
勾配のある屋根の防水は、塗装工事だけでも大きな効果が出る場合があります。勾配のある屋根というのは、一般的に「三角屋根」と呼ばれているもので、構造上水が溜まりにくく流れやすい設計になっていることから水の浸入はしづらいのですが、紫外線や雨風を直接受ける環境に変わりはないので、色々な機能を併せ持った塗料を使った塗装工事で防水対策をすることが一般的です。その中でもシリコン塗料が性能のバランスが優れているといわれていて、普及率が高くなっています。

平らな屋根や屋上の場合
平らな屋根や屋上の防水は、防水工事を施す必要があります。平らな屋根のことを「陸屋根」と呼びますが、実はまっ平らではなく、排水口に向かって緩やかな傾斜が付いています。しかしながら、傾斜が緩やかだということは水の流れが止まってしまうこともあり、雨漏りを起こしやすい構造といえます。そのため、防水工事をしっかりしておかなければなりません。

陸屋根や屋上の防水工事には、ウレタンゴム系塗膜防水がむいています。屋根に使われる素材は伸縮する可能性もあることから、ウレタンゴム樹脂からできたゴム状の防水層の方がひび割れしにくいからです。FRP防水の場合は、プラスチックで丈夫な防水層ではあるのですが、ひび割れのリスクが高いため、陸屋根や屋上の施工にはあまり向きません。

外壁の場合
外壁の防水については、塗装工事で解決できることもあります。というのも、外壁は雨水が真上から当たることがほとんどありませんが、斜めから直撃することは多くあります。そのため、外壁にひびが入っていると、水が浸入することがないわけではないため、防水施工は行う必要があります。

しかしながら、陸屋根や屋上と比較すると水の浸入リスクは低いことから、塗装工事だけでも防水の役割を果たすケースが多くなります。しかし、外壁は紫外線や風雨の影響を直接受けますので、外壁専用の色々な性能を持ち合わせた塗料を使用することをおすすめします。外壁に使う塗料も、耐久性・耐熱性・耐水性が優れていてコストパフォーマンスが良いシリコン塗料がよく利用されています。シリコン塗料の普及率は70%と高く、施工実績も多くあることから施工ミスが少ないというのもポイントです。

ベランダ・バルコニーの場合
ベランダやバルコニーの防水は、しっかりとした防水工事が必要です。というのも、ベランダやバルコニーに斜面がついていて水が流れやすい構造になっていることは少なく、陸屋根や屋上と同様に水が溜まりやすいからです。ベランダにバルコニーに関しては、FRP防水でがっちり水の浸入を防ぎたいところです。

ベランダやバルコニーは、人がよく歩行することからFRP防水層特有の耐摩耗性が効果を発揮するからです。また、どの防水層よりも上部であるという点も見逃せません。そのため、最近の新築住宅のベランダ・バルコニーでは、そのほとんどがFRP防水を採用しています。

防水は住宅の寿命を縮めないために必ずしなければならない工事

このように、防水工事は施工箇所にあった防水の工法で行うことで初めて意味があります。この防水工法のセレクトを失敗すると、高額の費用を掛けたのにも関わらず、大きな効果が得られないという結果になってしまうこともあります。

また、塗装業者の中には、防水工事の実績がないのにも関わらず、売上を優先して「塗装工事という名の防水工事」を施工している会社もあります。実績のない塗装工事業者が防水工事もどきの施工をしてしまうと、ミスやトラブルが起こり、防水どころではなくなってしまう可能性もあります。まずは「塗装」と「防水」の違いを理解して、それぞれの専門業者に工事を依頼することをおすすめします。

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